車体にホイールを取付けた時、それぞれの接合はどのようなものなのか。
ある程度調べた上での自分の考えとなります。
トラックのホイールは過去に三菱が飛ばしたせいで色々論文もありましたが、乗用車とはちょっと違うかもなので参考程度に読みました。
よく勘違いしがちなところで、ハブボルトでホイールを支えているというものがありますがこれは間違い。
仮にそうだとするとハブとホイールとでボルトにせん断応力、つまりハサミで紙を切るような力がボルトにかかります。
状況により何トンもの力を14mm程度のボルト5本で支えられるわけがありませんね。
次の勘違いとしてハブセンターの凸とホイールの凹をぴったり合わせてここで支えるというのも。
社外ホイールにした際にハブリングをつけろ!というのはこの考えからでしょう。
しかし圧入しているならまだしも、簡単に取り外しできる程度の嵌め合いではズレが生じます。
ズレるということは上記のようにボルトに対して力がかかってしまいます。
じゃあどこで接合してるのというと、ホイールとハブそれぞれの面での摩擦で支えています。
5本のホイールナットを100N・mで締め付けると、ホイールとハブは100N・mで押し付け合います。
この力で強い摩擦が生じてホイールとハブはまるで一体化したようになり車体を支えることが出来るようになります。
昨今ホイールが飛んでしまう事故がありましたし、自分も過去サーキットでやらかしたことがあります。
何故そのようなことが起きてしまうのか?
1つ目はホイールナットが締まっていないこと。
これはわかりやすいですね。
緩ければ摩擦なんて発生しません。
2つ目はホイールナットそれぞれが均一に締まっていないこと。
5本のうち1本だけ締付トルクが低いと、ホイールとハブの接合面の摩擦力にムラが出来てしまいます。
そこから走行中の振動等でホイールが更に歪みナットが緩みます。
3つ目はホイールとハブの接合面の油汚れ、錆です。
油汚れは摩擦力を低下させますし、錆は平面を凸凹にするため摩擦力にムラが出来ます。
このようなことが原因でホイール脱落が起きると考えられます。
ただ自動車は安全のため余裕を持たせているので、よっぽど緩く締め付けない限りは多少締付トルクがバラついたり錆びていても簡単には脱落しません。
しかしスタッドレス交換等で気軽に取り外ししがちなホイールこそ、締め付けたかどうかマーカーで印を付ける、トルクレンチを使うことを気をつけたいですね。
トルクレンチといえばやれアストロはだめだだの、校正しろだの、カチッは1回!等々ありますが、よっぽどいかれて無ければ規定値で締めればそれで良いと思います。
仮に適切な値でなくとも、5本は同じ締付トルクなので摩擦力にムラは出来ません。
X(Twitter)でハブリング論争みたいなのやってて何言ってんのかなと思ったので書いてみました。
車好きの大半はフィーリングで理論語りがちなのでしっかり勉強したいですね。